
全仏オープンってどんな大会?
テニスの全仏オープンとは?と疑問に思っていませんか。
名前は知っているけど、どんなものかまでは深く知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、テニスに詳しくない方でもわかるように、全仏オープンとは何かを詳しく解説しています。
- 全仏オープンとはなにか、その概要と特徴
- 全仏オープンの歴史
- 過去10年の優勝者などのデータ
- 全仏オープンで活躍が期待される日本人選手一覧と、過去の成績
といった内容をお伝えします。
2020年の全仏オープンは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で初の9月開催が決定済みです。
選手からは批判・困惑の声も出ていますが。。。
テレビの前で手に汗握りながら、選手を応援しましょう!

全仏オープンはテニス界でもっとも注目されている大会の1つだよ。
全仏オープンとは
まずは全仏オープンの概要を解説していきますね。
全仏オープンとは、テニスのグランドスラムの1つです。
全仏オープン公式サイト
グランドスラムとはテニス界でもっとも権威のある4つの大会のことで、全仏オープンのほかに、
- 全豪オープン
- ウィンブルドン選手権
- 全米オープン
の3つの大会のことをいいますよ。
全仏オープンは、文字通りフランスのパリにあるテニス競技場「スタッド・ローラン・ギャロス」で毎年行われるため、テニスファンからはローラン・ギャロスの愛称で呼ばれることもあります。
全仏オープンは日本のスポーツニュースでも、世界トップを決める戦いとして大々的に取り扱われます。
近年の日本人の成績は、男子は錦織圭が2018年にベスト8、女子は大坂なおみが2018、2019年に3回戦進出を果たしていますよ。
大会名 | 全仏オープンテニス(The French Open) 別名→ローラン・ギャロス・トーナメント |
開催地 | スタッド・ローラン・ギャロス(フランスの首都パリにあるテニス競技場) |
日本との時差 | 約7時間日本が早い |
大会使用コート面数 | 24 |
センターコート | フィリップ・シャトリエ・コート(1万5000人収容。2019年大会後に改修工事が開始され、2020大会は開閉式コートで試合が行われると決定済み) |
開催時期 | 毎年5月末〜6月初め |
歴史 | 1891年創設。(当初は男子シングルス・ダブルスのみで、参加資格フランス人のみだった) 1925年に規約改定して国際大会となる。 |
サーフェス(コートの床面素材) |
クレー(赤土)。4大大会でクレーは全仏のみ。 |
部門 |
男子シングルス |
ドロー(トーナメントの規模および出場者数) |
128名 |
優勝賞金(2019年度。各シングルス) | 230万ユーロ(日本円で約2億7000万) |
全仏オープンの4つの特徴
概要に続いて、全仏オープンの4つの特徴を解説します。
1つ目の特徴がクレーコートです。
クレーコートとはアンツーカーといわれる人工土で覆われたコートのこと。
アンツーカーは赤レンガの粉と白石灰岩の粉末を混ぜてつくられ、テニスコート以外にも野球場のマウンドなどにも用いられます。
クレーコートには
- 球足が遅い(土面がボールのスピードを殺すため)
- ラリーが続きやすい(ボールスピードが上がらないため)
- 天候の影響を受けやすい
などの特徴があります。
2つ目の特徴は、波乱の多さです。
これもクレーコートが少なからず関係しているといえます。
なぜなら、クレーコートは得意不得意に差が出やすいため、力のある選手が本来の力を発揮できずに敗退したり、逆にランキング下位の選手が番狂わせを起こすことがよくあるんですね。
そのため、全仏オープンは4大大会制覇(キャリアグランドスラム)達成の壁ともいわれています。
3つ目の特徴は、4大大会で最も過酷な大会だということです。
クレーコートはラリーが続きやすいため、試合が長引く傾向にあります。
そのため、フィジカル面でもメンタル面でも選手は消耗を強いられることになるんですね。
勝利するには、常に長期戦を見据えたゲームプランと、諦めない心が必要になってきます。
このあたりが全仏オープンが4大大会で最も過酷といわれる要因です。
最後の特徴として、オリンピックイヤーに行われる全仏オープンは、その最終選考会の意味合いがあります。
なぜなら、全仏オープンはオリンピック前の最後の大会になるため、全仏オープンに照準を合わせてアピールする必要があるんですね。
特に強豪国の選手は少ない枠を争うため、みんな必死です。
こういう4つの特徴が、全仏オープンを面白くしているわけです。
全仏オープンの歴史
全仏オープンの特徴のあとは、歴史を振り返ってみましょう。
全仏オープンは1891年にフランス選手権として創設されました。
グランドスラムでは3番目に歴史のある大会です。
創設当時は男子のみで開催されていて、国籍も参加できるのはフランス人のみでした。
その後1897年に女子が参加するようになり、1925年に国際大会へと変身を遂げたんですね。
その後の変遷はWOWOW Tennis Onlineに詳しいので引用します。
そして開催地がローランギャロスへと移る1年前の1927年が、フランステニス界にとってのターニングポイントとなる。
「四銃士」の異名を取ったジャック・ブリュノン、ジャン・ボロトラ、アンリ・コシェ、ルネ・ラコステの4人がフランス代表として国別対抗戦のデビスカップに出場し、当時7連覇中だったアメリカを敵地で撃破。
これを機にテニス界の覇権はフランスへと移り、フランス連盟は母国で覇権を守るべく、それにふさわしい場所を準備した。これが現在のローランギャロスだ。(中略)
この1927年以降、男子テニス界はフランスの四銃士の隆盛期に突入します。
グランドスラムの決勝を、この4人のうち2人で争うことが幾度となく繰り返され、1つの時代を築きました。
それまでアメリカが握っていた男子テニス界の覇権をフランスに移したという意味で、とてもインパクトのある活躍だったのでしょうね。
この四銃士の活躍は、1974年にアメリカの映画監督リチャード・レスターにより映画化もされているんですよ。
ちなみに四銃士の1人、ルネ・ラコステはあのワニのマークでお馴染みのポロシャツブランド「ラコステ」の創始者です。
そして全仏オープンは1968年にオープン化し、今に続くアマチュアとプロが同じ舞台で戦う形式になりました。
このオープン化はグランドスラムのなかで全仏オープンが一番最初に行われました。
近年のシングルスベスト8
では全仏オープンの近年のシングルスベスト8を見てみましょう。
まずは男子です。
男子 シングルス |
2019 | 2018 |
---|---|---|
優勝 | ラファエル・ナダル | ラファエル・ナダル |
準優勝 | ドミニク・ティエム | ドミニク・ティエム |
ベスト4 | ロジャー・フェデラー | マルコ・チェッキナート |
ベスト4 | ノバク・ジョコビッチ | フアン・マルティン・デル・ポトロ |
ベスト8 | 錦織圭 | ノバク・ジョコビッチ |
ベスト8 | スタン・ワウリンカ | マリン・チリッチ |
ベスト8 | カレン・ハチャノフ | ディエゴ・シュワルツマン |
ベスト8 | アレクサンダー・ズベレフ | アレクサンダー・ズベレフ |
男子シングルスはクレーキングことナダル選手の3連覇なるかが注目ですね。
2年連続準優勝のティエム選手もクレーを得意としている選手。
3度目の正直で優勝を狙っていることでしょう。
そこにジョコビッチ選手やフェデラー選手などの実力者がどこまで食い込んでくるか注目です。
続いて女子です。
女子 シングルス |
2019 | 2018 |
---|---|---|
優勝 | アシュリー・バーティ | シモナ・ハレプ |
準優勝 | マルケタ・ボンドロウソバ | スローン・スティーブンス |
ベスト4 | ジョアンナ・コンタ | マディソン・キーズ |
ベスト4 | アマンダ・アニシモバ | ガルビネ・ムグルサ |
ベスト8 | ペトラ・マルティッチ | ダリア・カサトキナ |
ベスト8 | スローン・スティーブンス | ユリア・プチンツェワ |
ベスト8 | シモナ・ハレプ | マリア・シャラポワ |
ベスト8 | マディソン・キーズ | アンゲリク・ケルバー |
女子シングルスは、近年の結果を見ても誰が上位にくるか予想しにくい状況。
ランキング上位のバーティ選手やクレーを得意とするハレプ選手は注目です。
高い確率でベスト4以上に食い込みそうですね。
2019年にノーシードから準優勝を果たしたボンドロウソバ選手も忘れてはいけませんね。
全仏オープンで活躍が期待される日本人
ここからは全仏オープンで活躍が期待される日本人選手の過去の成績や最新情報をお届けします。
錦織選手の全仏オープン最高成績はベスト8。(3度。
2015、2017、2019)
全米オープンでは準優勝、全豪オープンでは4度のベスト8を達成していることを考えれば、4大大会でも得意な方とまではいえないかもしれませんが、それほど苦手意識はないはずです。
実際、錦織選手のもっとも勝率の高いコートがクレーコートというデータもあるようです。
2019年10月22日に、右肘の2本の骨棘(こつきょく)除去手術をして、現在リハビリ中の錦織選手。
その影響で2020年1月の全豪オープンは欠場しました。
本来5月に行われる全仏オープンは2020年は9月開催です。
大坂選手の過去の全仏オープンの最高成績は3回戦です。(3度。2016、2018、2019)
過去には自らクレーコートに苦手意識があると語っていた大坂選手。
全豪オープン、全米オープンでは優勝したことを考えればクレーコートではやはり存分に力を発揮できないのかもしれませんね。
ただし、オールコートプレイヤーになるために、少しずつクレーコートでの戦い方を学んでいるようです。
2020年は初の4回戦以上進出を期待しましょう。
全仏オープン出場が予想されるその他の日本人選手はこちら。
男子→西岡 良仁、杉田 祐一、内山 靖崇
女子→日比野 菜緒、土居 美咲
日本人選手にはやっぱり頑張って欲しいですね。
とくに西岡選手、土居選手は過去に全仏オープンで2回戦に進出した実績があります。期待しましょう!
まとめ
最後にこの記事の要点をまとめておきます。
- 全仏オープンとはテニス界最高峰の大会であるグランドスラムの1つ。
- 全仏オープンには4つの特徴がある。
- 特に、クレーコートは全仏オープンの最大の特徴。クレーコートであることが、その他3つの特徴にも影響している。
- 全仏オープンは歴史ある大会で、1900年以降のフランスのテニスの歴史そのものといえる。

WOWOWならじっくり全仏オープンを楽しめるね!

錦織選手や大坂選手がどんなテニスを見せてくれるか楽しみ!
以上、ここまで読んでいただき感謝です。
全仏オープンで繰り広げられる最高のテニスに期待しましょう!
コメントを残す